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フィッシングライター/ 山口 充
掲載号: 2010年11月15日号
悪天候を吹き飛ばす大爆釣
今回は思いっきり楽しんでしまいました。皆さんもぜひチャレンジしてください
各地で釣れまくっているワラサとイナダ。とくに凄い釣果が出ているのが東北宮城。大型クーラー満タンも当たり前というすさまじい状況だ。
秋の東北といえば例年マガレイや「金華サバ」の呼び名で親しまれているマサバで賑わうが、今年はワラサとイナダが主役らしい。
宮城県塩釜港のえびす屋は、そんなワラサとイナダを狙ったジギング船を出している。一体どんなことになってるのかと興味津々で伊藤栄明船長に電話を入れると、「今年はすごい!今までこんなに釣れたことはなかったよ!」とのこと。
私と船長の付き合いは長いが、こんな驚きの声を聞くのは初めてだった。
10月15日。いつものように横浜の自宅から三陸道.利府塩釜インターチェンジまで420キロのロングドライブを経て港に到着。秋晴れと思いきや天気予報が外れて大雨。5時の出船時刻は近づいていたが釣り人は私と石井さんの2人きり。心配しながら宿で待機していると、「おはようございます」と、どこかで聞いたことのある声がした。「あれっ!お久しぶり」
振り返れば当地の釣具店、フィッシャーマン多賀城店の大橋店長ご一行。このときばかりは店長とお客さんが神さまのように輝いて見えた。
定刻5時に無事出船。ポイントの大根へ向かった。
荒れ模様の中、およそ2時間走って大根に到着。「では始めますね。水深は50メートルくらい。底からシャクリ上げてください」とアナウンスが出た。
船長によると、ワラサとイナダはメロウドという細長い魚の群れを追っているようだ。そのためか船中ほとんどの釣り人が細めのロングジグで、ウエイトは120〜200グラムといったところ。
ショートピッチジャークでテンポよく探ると左舷トモと右胴の間でヒットした。
どんなサイズが食ったのかと見ていると、ロッドは大きく曲がり、時どきラインが引き出されている。
上がってきたのは3キロクラスのワラサ。このサイズがあちこちで抜き上げられていた。前述の大橋さんも美しいフォームのショートピッチ.ジャークで瞬く間に魚の山を作り上げていた。
凄い、これはたしかに凄い!
イナダクラスが時どき交じっているようだが2.5〜3キロのサイズがほとんど。
雨は激しさを増すばかりだったが、船中のボルテージも上がるばかりである。
そんな様子を見て、私と石井さんも竿を出すことにした。皆さんは6フィート前後のジギングロッドでショートピッチ.ジャークを行っていたが、私たちは使い慣れた8フィート近い竿を選び、大きめのジャークを入れて狙うことにした。数はいくらか減るかもしれないが、そのぶん大型がヒットするかもしれない。過去にもそんなことがあったので、可能性に賭けてみたということだ。
たしかに皆さんに比べてアタリの数は少なかったが、掛かってくる魚も予想どおり大きめ。石井さんがヒットさせたのは3.5キロのワラサ。#5/0サイズのフックをバックリとくわえて上がってきた。さらに同級をもう1本追加する。
私は前方にキャストしてから斜めにジャークしているときにゴンときて、3キロをゲットした。
ここでルアーフィッシングが大好きな伊藤船長も竿を出し、ワラサとイナダをボコボコと抜き上げていった。
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