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本誌編集部◉斉藤 貴伸
掲載号: 2011年2月1日号
数型ともに徐々にアップし 船内は活気付く
1月2日。東京湾奥羽田大師橋際かめだやの釣り物はアジとシロギス。どちらも初釣りの釣り物としては1、2を争う手堅い魚になるだろう。アジ乗合の乗船名簿の一番上に氏名を書き込み出船を待つ。
まだ午前6時前だが、宿から見る夜明け前の船着き場には、すでにうっすらと人影が見える。シロギス乗合のほうが、早くから釣り客が集まっていた。
店主の野口嘉雄船長と新年のあいさつを交わし、しばらく立ち話をしていると、アジ船の釣り客も徐々に増え、出船時間には私を含め10名となった。
いつも温厚な野口勝弘船長の操船で7時半に出船。六郷川を下り羽田の新滑走路を眺めつつ東京湾に出る。朝日に輝く海面は眩しくいいナギだ。
かめだやでは昨年末までアジ船はオモリ40号のライトアジだったが、年が明けてからは130号ビシに切り替えた。それに伴い釣り場も変わる。ライトでは盤洲から中ノ瀬を攻めていたが観音崎方面に向かう。今日はその初日というわけだ。
約1時間で観音崎の北東側に着き、船長は群れを探し始めた。付近にアジ船が何隻かいるものの、南に見えるタチウオの大船団ほどではない。「水深53メートル、タナは底から2〜3メートルを探ってください」というアナウンスで、今年の釣りが開始となった。
先にサバが寄ってしまい、アジが顔を出すまで30分ほどかかった。1尾目は右舷トモで20センチ級。あれっと思う小型だった。船長は、この型ばかりのはずはないので、このまま粘ってみますという。
この判断が吉と出て、徐々に型もヒット数もアップし、船内は活気付いてきた。アジ船としてはよくある展開だが、初出船なので船長も多少心配だったようだ。「いやあ、あのままあの型だったらどうしようと思っちゃいましたよ。反応はあるからじきに釣れると予想できても、初釣りでこけちゃったら縁起が悪いですものね」と笑いながらも正直に胸の内を明かす。こうした勝弘船長の性格が釣り客を安心させ、肩の凝らない船上の雰囲気を作り出しているのだろう。
船内ではタモを使ってアジを取り込むシーンが俄然増え、30センチ前後の良型を手にする人が次つぎに出てきた。初釣りで、しかも今日から狙った釣り場としては上々の釣れっぷりだろう。
右舷ミヨシに入った私は10時過ぎから竿を出し、1尾目はサバだったものの、すぐに30センチ級の幅広い体形のアジを手にすることができた。これで一安心だ。アジは型見ずで終わることのない手堅い釣り物と分かってはいても、年の初めの1尾はうれしいものだ。
Page1 数型ともに徐々にアップし 船内は活気付く
Page2 東京湾の釣り場では正確なタナ取りが必須
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