Check
本誌APC(千葉)◎矢倉 登
掲載号: 2009年1月1日号
出だしはまさかの苦戦
ズラズラーッときた6点掛け。真っ赤な体色と闇夜のコントラストが美しい
釣り座周りを整理することで、スムーズな投入が可能となる
晩秋から冬期にかけてすっかり定着した感のある南房の夜キンメ。日中に比べて水深も浅く、タックルもライト。気軽に楽しめることも手伝い人気は上々だ。
今期は釣果に多少のムラが見られるものの、型のよさが目立っているようだ。
12月1日、今年から夜キンメ乗合を始めた南房洲ノ崎栄ノ浦港の早川丸を訪れた。
集合は15時。右舷に4名、左舷に3名が乗船したところで出船。担当は早川勝巳船長。ポイントの布良沖まではおよそ40分である。
「着きましたよ、用意して」のアナウンスで全員が自席に戻り投入準備を整える。周囲には50隻ほどの職漁船や遊漁船。みなキンメの反応を探り船を回していた。
とりあえず潮流をうかがうべく、右舷の1名だけが仕掛けを下ろしてみた。すると思ったほど潮は速くなく、
「これなら1流しで何回か投入できるかも!」と船長。
周囲が薄暗くなったところでいよいよスタート。私を除いた6名の仕掛けが指示ダナの140メートルを目指して落下していく。
仕掛けがタナに届いたあとは誘いを入れたり、そのまま置き竿でアタリを待つのだが、食いがよければ途中でキンメが食い付き、仕掛けの落下が止まることもある。
次の投入では落下中に仕掛けが止まったが、上がってきたのはサバとオアカムロ。
次の投入ではうまい具合にサバを避けることはできたが、いくらタナで誘いを入れてもキンメのアタリがない。今日はキンメの機嫌が悪いのかな……と思っていた矢先、右舷の竜崎さんにガンガンと強いアタリ。
キンメのアタリにしては少々強すぎると思っていたら、案の定外道。隣の人とオマツリしながら2キロ級のメダイが上がった。
辺りはすっかり暗くなり、船上灯にスイッチが入る。そろそろゴールデンタイムだと思うが、やはりキンメからのアタリがこない。
そして仕掛けを下ろして待つこと数分。右胴の間で竿を出していた早川丸の若船長、元気くんにアタリがきた。竿先をたたく感触からしてキンメであることは間違いない。
ちょうど同じタイミングで同船者にもアタリが到来。電動リールの巻き上げ音が船中あちこちから響く。
「仕掛けが上がったら、すぐに下ろしていいよ!」
船長も安心したのか、そんなアナウンスを出した。
元気くんの仕掛けには30センチ級のキンメが3枚。左舷の胴の間で竿を出していたいわせの福田氏も、良型キンメ2枚を手にうれしそうだ。
その後も入れ食いとまではいかないものの、30センチオーバーの良型主体にコンスタントに釣れ続けた。
そんな中、元気くんが40センチ交じりで6点掛けを披露。さあ、これから入れ食いモードに突入かと思ったが、このころからオマツリが多発、せっかく食わせてもキンメがバレてしまう。
アタリの感触は間違いなく本命だけに、なんとももったいないことである。
Page1 出だしはまさかの苦戦
Page2 こ れ が 本 来 の 釣 れ っ ぷ り
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。