ようやく左舷胴の間で小型ながらイサキが上がった。どうも外道の活性が高く、イサキが食いつく間がないといった感じだ。イサキの活性が上がれば外道を極力避けられ、「ウイリーで攻めの釣り」ができて最高なのだが。
　右舷ミヨシでは40センチ級のクロダイ。続いて良型メジナにカサゴも登場。厳しい状況ながらも、まるで五目釣りのように賑やかで楽しい。あとはイサキを釣るだけだ。
　と、右舷の山田さんにいいアタリがきた。ウイリーに掛かったのは本命イサキだ。久びさにイサキの顔を見ると、俄然やる気が出てくるもの。
　ところが、私はひとりネンブツ祭り。再び心が折れてしょんぼりしていたところ、隣の石井さんのシャクリが止められ、ファイトが始まった。「ハリス1.25号なんだ……」と石井さん。渋い状況ゆえにハリスの号数を落とし、ウイリー3本バリにワームバケを付けていたのだという。
　ドラグが見事に効き、気持ちよくラインが出される。大事にヤリトリして上がってきたのは、49センチ2.5キロの見事なクロダイであった。
　後半、少し場所を移動して再スタートすると、今度は見事なアジが上がり始めた。35〜40センチ級の松輪アジだ。
　結局この状況が最後まで続き、午後12時30分の沖揚がりの時間となった。釣果は0〜5尾であったが、外道が賑やかで不思議と楽しかった。
　肝心のイサキよりゲストたちのほうが元気ハツラツ。何が釣れるか、お楽しみ度は◎。もちろん「梅雨イサキ」という言葉もあるくらいだから、本命のイサキはこれからが本番。数日後には早くも好調に釣れ始めたそうだ。

［大松丸］鈴木茂明船長