1時間ほどが過ぎたころ、右トモの常連さんに大ダイらしきがヒット。ビュビューッとけたたましい音を立てながら道糸が引き出される。20メートルほど走られたところでいったん止まったものの、再び走り出した瞬間、フッと竿先がテンションを失う。仕掛けを回収すると道糸が切れていた。おそらく傷が付いていたのだろう。
　岩和田沖で数回流し変えたのち、10時ごろに大原沖14メートルダチへ移動。数日前まで好調だったという5メートル前後の超浅場での釣りを期待していたのだが、前日のシケの影響で底荒れしてダメとのこと。
　しかし、マダイの群れはここにもいた。左ミヨシで1キロ級が上がったのを皮切りに、ミヨシから3人並んだグループのお客さんたちの竿が次つぎに曲がり始める。
　上がってくるのは1キロ未満のマダイがメインだが、中にはドラグを滑らす強者も交じり、当日最大となる2キロジャストも登場。合わせが決まらずエサだけ取られることもしばしばあるようだが、それを上回るアタリの多さで常に3人のうちだれかしらの竿が曲がっている状態が1時間ほど続く。
　しかしこのとき気になったのが、3人を除くほかの人はさほど釣れていなかったこと。船長に聞くと、
　「ほかの人もエサは取られていたからアタリはあったはず。ただ、後半は入れ替えが少なくなってたね」とのこと。
　3人組はマダイが続けて釣れたことが頻繁な仕掛けの入れ替えにつながり、結果として入れ食いになったのかもしれない。
　やがてアタリも遠のき、11時半に沖揚がり。船中釣果は0.3〜2キロのマダイが0〜14枚。0はタイラバで挑戦し続けた人で、エサ組のスソは私で3枚。ちなみに左ミヨシの3人組は全員一つテンヤ初挑戦で、8、13、14枚でこの日の上位を独占した。
　なお8月下旬現在も大原のマダイは好調をキープ。水深20メートル前後をメインに釣れ盛っている。

［富士丸］坂下隆一船長