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本誌APC(神奈川)◎平林 潔
掲載号: 2009年9月15日号
僕だけがおいてけぼり?
ライトアジ名人千葉さん。仕掛けをありがとうございました
オモリもタックルも軽いので、まめに誘いを入れられるはず
真夏の炎天下での釣りっていうのは、眉を吊り上げ気合を入れて狙うターゲットだとちょっと辛い。ときには日陰に逃げて涼を取ったりしながら、のんびりと楽しむ釣りがいい。そんなわけで8月18日に車を走らせたのは東京湾奥横浜の広島屋。釣り物はライトアジ。
昨シーズンは爆釣モードが続いたようだが、今年の広島屋では8月15日からスタートしたものの、トップ30〜40尾と状況は今一つ。
それでもまあ、のんびりと竿を出して20尾も釣れば酒の肴には多すぎる。そう思って船宿に到着したのが午前6時半ごろ。右舷ミヨシに釣り座を取ると、オモリ40号のライト専用アンドンビシをゲームロッドにセットした。
それにしても朝から暑い。半袖と短パンにゴム草履姿なので、しっかりと日焼け止めを塗る。
別に美容を意識してるわけじゃないけれど、最近は年のせいか日焼けすると疲れるのだ(来年は本誌でも日焼け止めの特集を組んでくれないかなあ)。
定刻の8時に6名を乗せて出船。と言ってもうち2人は船長の奥さまと看板娘の杏奈ちゃん。2人で1本の竿を出して楽しむという。杏奈ちゃんは小学3年生だが、
「夏休みだから船に乗って釣りしたい」と前からリクエストしていたそうだ。そういえば僕の娘2人もそのころから船に乗っていた。
最初は横須賀方面に向かい型のいいアジを狙う予定だったが、
「潮が速すぎる」という僚船からの情報で、急きょ本牧沖へと釣り場を変更した。
とはいえ本牧は横浜の目と鼻の先だから、8時15分にはアンカーを入れてのスタートとなった。
近場での釣りは、本当に楽チンでいい。水深は14メートル。船長は、
「底から1.5〜2メートル上あたりで誘って」と指示を出した。そこでアンドンビシがトーンと底に着いたら、1メートル上げたところでコマセを振り、さらに50センチ上げてアタリを待つ。
強い日差しが照りつけるものの海は静か。そよそよと涼しげな風が吹く絶好の釣り日和だ。
しばらくすると左舷ミヨシに入っていた埼玉の千葉さんが船中初物をゲット。その後もなかなかのペースで釣り続ける。この千葉さんは3日前にも当船に乗って40尾余りを釣って竿頭になった常連さんだから腕がいいのは分かる。
それにしても……僕にアタリがないのはどうしたことだ。
「1.5メートルでコマセを振って、2メートルで食わせてます」と千葉さんに聞いて同じようにすると、すぐにキュキューンと竿が絞り込まれた。やはり釣れている人にアドバイスを請うのが一番だ。
竿が軟らかいゲームロッドだけに引きも楽しめる。たかだか20センチ弱のアジでも、ときにはオオーッと声を出してしまうほど。これがライトタックルの釣りの楽しさだ。
こうして何尾かアジを手にしたが、右舷はたまにポツンと釣れるだけなのに対し、左舷は全員が結構なペースで釣っている。たまたま右舷に座るのは僕1人で、あとの全員が左舷に入っていたことも影響しているのかもしれない。
そこで皆さんにお願いし、左ミヨシ2番で釣りをさせてもらうことにした。
「いいですよ、ここにどうぞ」と気持ちよくスペースを作ってくれるあたりはアットホームな船宿ならでは。これでワイワイガヤガヤの仲間入りもでき、うんと楽しくなった。
とくに僕の左の常連.菅さんの話がメチャ面白い。釣りをしながらの船長とのヤリトリは、まるで落語の新作ネタにできそうな内容だ。
席の移動でなんとか徐々にペースに乗り始めた僕だったが、やはり千葉さんのペースは断トツ。釣り方を観察して真似てみたが、千葉さんのペースには到底追いつかない。
杏奈ちゃんも1人前にしっかりとアタリを取り、リールを巻き、アジを取り込んでいる。子どもは覚えが早いなあ。
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