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本誌APC(東京)◎鈴木良和
掲載号: 2010年3月1日号
お土産のアジ釣りで…
同行の山崎さんもオキメバルを満喫していました
じっくり追い食いを待てば……こうなるはず! ?
立春とはいえ寒い日が続く昨今。今回はちょっと早めの春を感じようと南房のオキメバルを狙うことにした。
釣り人にオキメバルと呼ばれるなかで、当地はトゴットメバルが中心。クセのない白身で、煮付けにすると最高にうまい。
1月23日。釣友の山崎さん、女性アングラーの石井さんとともに向かったのは南房相浜港の松丸。出船は定刻6時半。私たちを含む12名を乗せ、定刻6時半に出船となった。
「すぐに釣り場に到着しますので、準備をしておいてください」と西藤裕船長。その言葉どおり10分後には投入の合図が出された。
現在の松丸では本命のオキメバルを狙う前にお土産として2時間ばかりアジを釣るという。
「鈴木さん。たかがアジ釣りと思って甘く見ていると大変ですよ」と船長。しかしこのときの私は大変ですよの意味を理解していなかった。
水深は50〜60メートル。仕掛けはオキメバルと同じで、上部にコマセカゴを備えたサビキ仕掛けで、オモリは100号。
オモリが底に着いたら1メートルほど巻き上げ、コマセを振ってアタリを待つのだが、ひと流しで1度しか投入できないので、アタリがあっても合図があるまでは巻き上げず、多点掛けを狙ったほうが数はのびる。
ほどなくしてあちらこちらでアジが顔を出した。型は25〜30センチ。どんな料理にも向く、手ごろな大きさだ。
好調に数をのばしていたのが左トモにいる常連の千田さん。コマセを振ったあとで軽く誘いを入れるのが効果的なのだろう。すると船長が大声で私を呼んだ。
「こちらのお客さんのは間違いなくヒラメですよ!」
たしかに竿の曲がりは尋常ではなかったが、フッという感触でバレてしまったようだ。
回収した仕掛けには2尾のアジ。どちらもボロボロで、うち30センチ級の胴体にはしっかりと歯型が刻まれていた。口の大きさから察すれば、3〜5キロのヒラメではないだろうか。
この直後、同行の山崎さんが悲鳴を上げて天を仰いだ。強烈な引きで竿がのされ、ハリスを切られてしまったらしい。
これが、船長の言っていた「大変なこと」なのだろう。
今度は右ミヨシの小宮山さんが慎重にヤリトリを始めた。もちろんヒラメを期待したが、浮いてきたのは40センチオーバーのカンコ(ウッカリカサゴ)。ヒラメに劣らず美味な魚。うらやましいことに変わりはない。
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Page2 春はまだ遠いのか?
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