「おおっ、これワラサかも！」
　そんな声に船長もタモを片手に飛んできた。何度かの強い引き込みをかわしたあとで6号8メートルのハリスをたぐり、タモに収まったのは本日1本目の3キロ強。
　「今年はね、このくらいのが多いんだよ。日によっては5キロ近いヤツもいる」とは勇一船長。昨年はどちらかというとイナ.ワラサイズが主体で物足りないと思っていた方も多いはずだが、今年は力強いファイトと食味が楽しめそうだ。
　数分後にヒットさせたのは左大ドモの釣り人。聞けばハリスは4号で、マダイも視野に入れつつ狙っていたところにワラサが食ったらしい。
　慎重なヤリトリの末に上がったのは当日最大の4キロ級。1本目に比べて腹回りが太い。貫禄十分のワラサである。
　この1本が食ったタイミングで他の方もワラサを掛けたようだが、こちらは無念のバラシ。
　それにしても案外アタリは多い。この調子なら後半にラッシュがあるかも？
　淡い期待を抱きつつ釣りを続けたが、朝のチャンスタイムが終わったあとはパッタリと食いが止まってしまい、ワラサはおろかマダイも上がらなくなってしまった。
　終盤にパタパタッとアタリがきて、右トモの釣り人が3キロ級を釣り上げたが、この1本を最後に12時半の沖揚がり。船中釣果は3〜4キロが0〜1本。
　型が出たのは幸いだけど、やはり取材が早すぎたのかもしれない……。
　そう思ったものの、取材に行った翌々日の18日から剣崎沖が本格化した。3〜4キロ級主体にトップ5本。19日にはトップが10本に到達している。
　いよいよ今年もワラサフィーバーが始まった。

［大松丸］鈴木 勇一船長