Check
フィッシングライター/山口充
掲載号: 2012年5月1日号
荒天がキッズに立ちはだかる
中澤紗理奈ちゃん。キッズの活躍が光りました
シーバスは海のルアー釣りにおける代表的なターゲットの一つ。陸っぱりで大変な人気を集めているが、沖釣りでもシロギスやアジ同様に入門魚として名前があがることも多く、これから始まる大型連休に仲間やファミリーで楽しむ魚としてもうってつけだ。
というわけで3月30日、春休み期間中のキッズアングラー、馬場海好(みずき)くん、矢口晟雅(せいが)くん、中澤紗理奈ちゃんを連れて東京湾奥川崎のつり幸を訪れた。
準備がてら3人と話をすると、海好くんと晟雅くんが9歳で、最年長の紗理奈ちゃんが15歳。全員平成生まれだと知って驚いた。
この日は予報が外れ、朝から南西の強風が吹き付ける悪天候。ところが最近の好調ぶりを反映してか、私たち以外にもたくさんのお客さんが集まり、気づけば2隻出しの大盛況となっていた。
定刻の6時半、村山克英船長の操船で河岸離れ。
「風が強いので、本来のポイントには行けないかも……」と、申し訳なさそうにつぶやく船長が最初に選んだ釣り場は近場の川崎沖。風は予想以上に強くて波も高い。
「水深は25メートル前後で、反応は底のほうに出ています」との合図で釣り開始。
同船の皆さんはベイジギングタックルに結んだ60グラムのメタルジグを底まで沈め、10メートル上までを探っていた。しかし船の上下動が大きすぎて、ジグの着底が判別しづらいようだ。
しばらく狙い続けてみたもののヒットはなく、沖のポイントへと移動する。
すぐにミヨシで釣友の岸上さんがヒットさせたが、船の揺れで取り込み失敗。
アチャー!
と思ったが、再び岸上さんの竿が曲がって船中1本目をゲット。
「お隣同士でできるだけタモ取りしてくださいね。ルアーが外れて飛んでくると危ないですよ!」と、船長からアナウンス。たしかにシーバスはハリが外れやすい魚。とくにエラ洗いしたときに勢いよく外れることもあるので取り込み時は注意したい。
初物が出たところで私も竿を出してみる。
ジギングのシーバスに使うメタルジグというと、私はどちらかというと重心がセンターにあり、ヒラヒラと落下するもののほうがフォール中のアタリが多いので好きなのだが、今日のような荒天候ではフォール中のアタリも取りづらいだろうし、ヒラヒラと落下することでオマツリの原因になるかもしれない。
そこでテイルに重心があり、底までズドンと落ちてくれるシーフラワーの60グラム(ピンク/シルバーカラー)を選んだ。
この選択が正しかったのか、投入直後にヒット。ロッドのグリップを体に引きつけながらファイトすると、時折ジリジリッ!
と心地いいドラグ音を立ててラインが引き出されていく。
ウネリをかわしながらネットインしたのは70センチジャストのシーバス。いまだ本調子ではないキッズ3人を差し置いて、いきなり良型を手にした私は、どうか3人にもシーバスが釣れますように……と祈るような気持ちでカメラを構える。
すると祈りが通じたのか紗理奈ちゃんの竿が曲がった。
「やっときた〜!」
うれしそうに大人顔負けのファイトで見事にシーバスを取り込んだ紗理奈ちゃん。
彼女のほかにもシーバスを手にする人は多く、胴の間付近から竿を出す高橋さん、米岡さんの仲よしコンビも次つぎとヒットさせていた。
Page1 荒天がキッズに立ちはだかる
Page2 終了間際にドラマが!
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。