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フィッシングライター/山口 充
掲載号: 2012年8月1日号
雨の中で釣り開始
今回のターゲットは茨城県鹿島沖のショウサイフグ。今シーズンは例年以上に魚影が濃く、トップが規定数の80尾に届く日も多いという。
7月2日に訪れたのは茨城県鹿島港の長岡丸。以前ヒラメやイシガレイの取材で訪れたことがある船宿で、ショウサイフグ乗合は若船長の長岡寿樹さんが舵を握っているという。
横浜の自宅から約2時間走って現地に到着したのは出船1時間前の4時。当地のショウサイフグは大好きな釣り物だけに気合が入っていたのだが、朝から大粒の雨が降っていた。
梅雨時だから仕方ないとはいえ、やる気に水を差されたような恰好だ。
釣り人の出足も鈍いようで、私と石井さん、この日唯一のお客さんである古瀬さん、仲乗りの飯塚さんの計4名で5時に港を離れた。
ポイントの鹿島沖までの航程はおよそ1時間。到着までの間に雨も強くなり、気温も下がる。いつしか吐く息も白くなっていた。
やがて船の速度が落ち、船長が開始の合図を出した。
最初の釣り場の水深は25メートル。エサのアオヤギをたっぷり付けたカットウ仕掛けを海底へと送り込む。
しばらくすると右トモに座る仲乗りの飯塚さんとお客さんの古瀬さんが同時にヒットさせ、船中の雰囲気がパッと明るくなった。
茨城のショウサイフグ釣りは、やっぱりこうでなきゃ!
ふと隣を見ると石井さんがずぶ濡れになりながらも1尾目をキャッチしていた。
船中の皆さんが型を見たところで私も竿を出してみることにした。
といっても、私はフグ専用竿を持っていないので、カワハギ竿のチューニング版と東北カレイ竿の先調子タイプを使ってみるつもりだ。
釣り座はミヨシ。船の上下動が大きいのが気がかりだったが、仕掛けが着底するのと同時にモワモワとアタリらしき感触が伝わってきた。
ここで合わせるとフグの重みが伝わりガツンとハリ掛かりした。この掛けた瞬間の快感こそがショウサイフグ釣りのだいご味で、無事に20センチ級を抜き上げた。
しかしよかったのは私が竿を出した直後まで。1時間もしないうちにパタッとアタリが止んでしまった。
そんな中、一人気を吐いていたのが仲乗りの飯塚さん。さすがの竿さばきで良型を連続ヒットさせていた。
すると古瀬さんが、
「遊びでね!」とニッコリしながら、湾フグ仕掛けのようにカットウの上に2本バリの胴つき仕掛けを装着した。ハリには小さく切ったエビエサを付けている。
さっそくココンとアタリがきて、ハナダイがヒット。さらにはホウボウもお目見え。
この間にも石井さんと飯塚さんはポツポツながらもショウサイフグを上げていた。
ところが私は今イチ釣れない状態が続いて、エサの消費量だけが増えていく。
Page1 雨の中で釣り開始
Page2 私が釣れない原因は?
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