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本誌編集部◉内山 高典
掲載号: 2012年11月15日号
緩めのドラグはタブー!?
日立沖のマダイは秋~初冬がベストシーズン!
仕掛けを下ろせばククン、たまりませ~ん!
茨城県日立会瀬港の弁天丸を訪れたのは10月14日のこと。
当日は夜明け前に10名が集まり5時半に出船。15分ほど走った日立沖20メートルダチでパラアンカーが下ろされ、船が潮になじんだところで開始となった。
阿部正美船長によれば潮の速さは0.5ノット前後。海上は穏やかで潮色もほどよく濁っており、一つテンヤのマダイ釣りの好条件がそろっていた。
開始早々、右トモ寄りで400グラム級のマダイが釣れたのを皮切りに、船中で次つぎに同級が釣れ上がる。仕掛けを下ろせば着底直後にアタリがくる文字どおりの入れ食いモードに突入し、2時間ほどの大流しで各人が400〜600グラム級のマダイを10〜20枚前後キープしたところで移動となった。
水深はやや深くなって30メートル前後。ここで私も参戦し、テンヤ3号を付けて投入すると25メートルほどで糸が止まった。すかさず合わせて600グラム級のマダイをキャッチ。その後も、仕掛けが底まで下りないパターンが続いて同級が次つぎに釣れ上がる。
試しに底付近を探るべくテンヤ8号に交換。ストンと着底した直後にアタリがきて800グラム級が上がってきた。
底をたたいてよし、落とし込みでよし、何をやってもマダイが釣れる入れ食いモードなんて、そうあるもんじゃありません!
「今年の秋はとにかくマダイが多くて、エサが3パックあっても足りない日もあります。中小ダイに交じって4キロ以上の大ダイも食ってくるので油断はできませんよ」と阿部船長。
よ〜し、こうなったら大ダイも釣っちゃうぞ!
左ミヨシ寄りでチリリリッとドラグが響いて十数メートル魚が疾走。すわ大ダイ!
とカメラを構えてヤリトリを見守っているとどうも様子が違う。上がってきたのは2キロ級のイナダであった。
日が高くなってからも中小ダイの食いは活発だったが、大ダイはなかなか顔を見せようとしない。
そこで私は、小ダイのアタリが出なくなる底から6メートル付近で仕掛けを止めて待つ作戦を試みた。
周囲でマダイが釣れ続くなか宙層でアタリを待つことおよそ1時間半。途中何度も入れ替えたが、そのたびにエサはきれいなまま戻ってきた。
ある意味狙いどおりではあったが、沖揚がりまで残り1時間となったところで心が折れそうになる。とそのとき、竿先を引ったくるようなアタリ到来!
ギューッと竿を絞り込む力強い引きでジワジワと道糸が引き出される。ついにキター!
この手応えは大ダイに違いない。ゆっくりやれば勝算はある!
と思ったのだが、フッと道糸がテンションを失い痛恨のハリス切れ……。巻き上げたハリスのザラつき具合から見ておそらく根ズレだろう。
船長によれば、日立沖の浅場のポイントは主に岩礁帯で高低様ざまな根がいたる所にあるため、マダイに走られると根ズレのリスクが高くなるとのこと。そのため、ドラグ調整は1キロを目安にあまり緩くしないほうがいいそうだ。大ダイに備えて700グラムと緩めにしていたのが裏目に出てしまったようだ。まだまだ修行が足りません、トホホ……。
その後も船中ではマダイが順調に釣れ続き12時半に沖揚がり。
船中釣果はトップ40枚以上でイナダなどゲストも多数。皆さんクーラー満タンで大満足の一日となった。
当地は11〜12月が数に加えて大ダイが最も釣れるベストシーズン。本誌発売のころからが狙い目です!
[弁天丸]阿部 正美船長
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