「ついに釣れだしたよ、すぐ来てくださいよ〜！」
　魚磯丸の久保田清船長の声が弾む。聞けば、内浦湾の中にソウダもわんさか入ってきたそうだ。待ち兼ねた「青物の潮」が一気に駿河湾の奧まで差し込んだらしい。
　このチャンス逃すまじ！
　と気がはやるのは青物狙いの常。沼津久料港へ向け、カツオのごとく疾走したのは9月13日の日曜日だ。
　この日のカツオ.メジ船は、鄭（チョン）先生が率いる医療関係チームの仕立ながら、幹事の林さんが便乗取材を快諾してくださった。
　計11名のうち半数は貸し竿で、女性を含む2名は沖釣り自体が初めてとか。いきなりカツオとは幹事の林さんも思い切ったもんだと思ったら、
　「いや、ボクが釣りたかっただけ。今日はルアーで釣りまくりますよ」と、あっけらかん。沖合は南西風の影響でウネリもある。乗せていただいた身としてしばらくはサポート役に回ったほうがよさそうだ。
　5時に出船し、昨日ナブラに当たった戸田〜土肥沖へ南下。
　案の定、内浦湾から出たとたん2メートルほどのウネリに見舞われ、さすがの大型船もアップダウンする。
　仲乗りさんや林さんと一緒にエサの付け方、釣り方を教えているうちに1人、2人とマグロ状態に……。その姿を見ながらどでかいキメジが頭をよぎってしまう自分もどうかと思うが、このまま南下するのは厳しそうだ（ちなみにちらほらと、大型のキメジ情報もあり）