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本誌編集長/沖藤武彦
掲載号: 2012年7月1日号
メ ゴチエサで63センチ!
いきなり63センチ。鈴孝丸では浅場のビシアジとのリレーも可
鈴孝(すずこう)丸に通う友人は皆、
「あそこのマゴチ釣りは一度経験したほうがいい」と言う。
いわく、
「パラシュートアンカーならではの静けさがいい」
「メゴチエサが用意されているから手軽で簡単」
「マゴチがでかい」
そして必ず、
「あら汁がうまい」とくる。
ぜひ一度、行ってみたいと思っていた船宿だった。
梅雨入り前の6月3日、能登から「あの男」がやってくる。そして、どこか釣りに連れて行けと言う。
「あの男」を満足させるには、ひとひねり必要だ。そこで浮かんだのが鈴孝丸のマゴチ。
人望厚い「あの男」、あっと言う間に仕立に相当する人数を集めてしまった。
当日、午前5時半。「あの男」.イカ先生こと富所潤が、上総湊にやってきた。
漫画家の立原ほたるさん始めイカ先生と愉快な仲間たち総勢8名は、6時前、上総湊.鈴孝丸より出船した。
同宿ではエサにメゴチを用意してくれるのだが、希望があればサルエビも港口で船に積んでくれる。なにせ、鈴木利定船長は職漁でメゴチやエビをとっているから、エサに事欠くことはない。
港を出て、希望しておいたエビを積み、竹岡沖へと走ってポイントを見定めると、船長はパラシュートアンカーを入れ、船が安定したところでエンジンを切った。
釣り開始である。
チャポン……チャポン。
波の音を聴きながら、10メートルほど下の砂底を探っていく。
「エビはアタリが多いけど、メゴチのほうが大きいマゴチがくるよ。おれはメゴチしか使わないなあ」
船長の言葉に私以外はメゴチエサを装餌。さて、いつアタリがくるか、と思っていると、左舷トモ寄りの杉山さんの竿が大きく曲がった。
「きました!」
魚は沖へ走っていて、ドラグが滑ってハンドルが空転を繰り返す。ドラグが緩く、合わせも効いてなさそうだが、魚は徐々に寄ってきた。
ザッパン!
船長の差し出すタモに収まったのは63センチのビッグなマゴチ。これには驚き。
船長によれば、これで「大きいかな」といったサイズらしい。いやはや、大貫〜竹岡の浅場は大物の宝庫だ。
「マゴチって、どれぐらいの大きさが普通なんですか?」
釣った本人はきょとんとしている。そう、杉山さんはマゴチ初対面。今は幸福だろうが、今後、何本マゴチを釣っても、サイズに満足しないかもしれない。
パラシュートアンカーでゆったりと30分以上かけて、筋を変えながら竹岡沖の浅場を流すこと数回、左トモの渡辺さんが船中2本目をキャッチする。
続いて右トモの花澤さんも本命をキャッチ。アタリが多いわけではないが、大潮の下げどき、マゴチは順調に釣れるように思えたのだった。
ただ、いきなり63センチを見せられては、40センチ後半の見慣れたサイズが小さく見えてしまうけど。
Page1 メ ゴチエサで63センチ!
Page2 一つテンヤマゴチで釣る
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。