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[キンメ&ムツ]
三浦半島葉山あぶずり港発…沖ノ瀬 長三朗丸

葉山発・沖ノ瀬の根魚五目 狙うは良型のキンメ&ムツ

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フィッシングライター/訓覇啓雄
掲載号: 2011年1月15日号

良型ムツが顔を出す

 


クロムツも良型のキ ンメも、傾斜のきついカケ上がりを狙う


 青物が一段落すると、にわかに脚光を浴び始めるのが根魚。三浦半島葉山あぶずり港の長三朗丸でも、名物のカツオとバトンタッチする形で根魚五目乗合が始まった。
 
 12月12日、大盛況の総勢13人で7時に出船となる。本来なら空いている平日に腰を据えて臨みたいところだが、この船のメインフィールドは沖ノ瀬。どの方角の風にも弱く、天候が安定するのを待っていたら、この日になってしまったというわけ。
 当然オマツリが心配になるが、週末はたいてい仲乗りさんが2人乗り込み、ばっちり補助してくれるという。
 五目釣りとはいえ、狙いの中心はキンメダイ。キンメと一口に言ってもエリアによってそのスタイルは様ざま。
 オモリの号数を目安にすると、新島沖など伊豆諸島周辺の400〜500号に対し、小田原〜真鶴では150号が標準とずいぶん幅がある。
 長三朗丸では300号だから、ちょうど中間といっていい。ただし道糸はPE6〜8号で、これを600メートル以上巻けるリールを推奨しているところから、タックルは小田原辺りと同じものが使えることになる。
 強い北東風に押される形で、ポイントの沖ノ瀬へはするすると1時間ほどで到着。
 まずハリス8号の6本バリ仕掛けを取り出し、船ベリにセットしたマグネット板(うれしい無料レンタル)に並べ、配られた塩サバのタンザクを刺す。
 合図でミヨシから順に投入開始。水深は360メートル。ここからどんどん深みへと落ちていくため、底ダチをまめに取り直していると、左ミヨシの2人が巻き上げ始めた。
 やがてオマツリしながらも40センチ級のキンメが2枚取り込まれる。左舷のトモ寄りでは3キロほどのメダイも顔を出す。しかし目ぼしい成果はこれくらいで、あとは真っ黒なカラスザメがポツポツ。
 オマツリが多発したせいか、次の流しから投入のスタイルが変更になる。まずミヨシから順に左舷が全員入れ終えてから、船を少し移して今度は右ミヨシから投入する。
 これで、おそらくは東京タワーの脚のように、どの方向から見ても道糸が扇状に広がっているはずだ。
 いつも思うことだが、潮や風を計算に入れたうえで300メートル以上も下にいる決して大きくはない魚群に仕掛けを送り届けるという作業は神業としかいいようがない。
 反応をとらえる精度が上がったのだろう、左舷を中心にガクガクといい感じのアタリが広がる。ころ合いを見て巻き上げに移行。
 海面下に見えてきたのは朱ではなく茶褐色。キンメと並ぶ深場ターゲットの雄、クロムツ(ムツ)の登場だ。
 サイズも40センチ級と申し分なく、中には近年なかなかお目にかかれない50センチ級を手にした人もいる。私もレギュラーサイズながら2尾、次の流しでも1尾獲得。
 もしかして狙いをクロムツに切り換えたのかと船長にたずねれば、あくまで本命はキンメだという。


 

 


 

 

Page1 良型ムツが顔を出す
Page2 本命キンメも登場



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