そんな中で、ダントツでイサキを釣っていたのが左舷ミヨシ。軟調のワンピースロッドを置き竿にして、リール前の道糸をピュピュッと手で引っ張ってコマセを出し、タナに合わせて待っているだけですぐにクンクンとアタリ。しばらく追い食いを待って巻き上げれば、2点3点掛けは当たり前といった感じでイサキが上がってくる。
　端で見ていると、まさにイサキ釣りマシーン。どうやったらそんなに釣れるんですか？ と聞いてみたが、
　「いや〜、船長が言ってるとおりに釣ってるだけですよ」とご本人。実際にはコマセのまき方が上手なのと、手返しが断然に早いのが理由なのだろうが、ちょっと普通の人にはマネできそうもない。というのも実はこの方、同じ大原港Ｈ丸の船長さんだったのである。どおりでうまいわけである。
　その後は指示ダナこそ16〜18メートルとやや幅が出たが、食いはよくなって、ほかのお客さんも順調にイサキを釣り上げていく。中には30尾以上を釣ってもう満足と手を止める人も。
　結局この日は10時過ぎに早揚がりとなったが、Ｈ丸の船長はもちろん50尾に到達。ほかの方も多い人で44尾、イサキ釣り初めての人も30数尾と、悪天候ながらも食いは良好であった。
　船長によれば、このところ水温も上がってきているし、今後はまずまず安定した釣れ具合が期待できるのではないかとのこと。大原のイサキは産卵が終わって8月のお盆前までは狙えるので、迎える7月はまさに最盛期といえる。

［キャプテンズネット　臼井丸］臼井 信喜船長