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[カワハギ]
三浦半島久比里発…竹岡沖 巳之助丸

占う 竹岡沖は良型ぞろいで好発進

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本誌発行人/根岸伸之
掲載号: 2012年9月1日号

タタキ下げとタタキ上げ?

 


松本圭一さんが当日の竿頭


 でも、これでめげないのが本日の乗船者たち。ならばと自分なりの作戦を組み立てていくのがトーナメンターたるゆえんだ。飯田さんに作戦を聞いてみると、こんな話が返ってきた。
 カワハギの釣り方は数あるが、竹岡沖は比較的フラットな地形なので、オモリを底に着けたままタタキ釣りからゼロテンション、もしくはタルマセ釣りが標準となる。
 しかしこの状況下ではエサ取りにやられるばかり。そこでオモリが着底したらすぐ1メートルほど仕掛けを上げ、タタキながら徐々に仕掛けを下げていき、オモリが着底したところで、ピタッと止める。この瞬間にカワハギが口を使うことが多いのだという。
 アタリがなかったらすぐに巻き上げ、タタきながら下ろすの繰り返し。いわゆるタタキ下げという釣り方である。
 他の方は仕掛けを遠投したり、静かにアタリを待ったりと様ざま。きっと仕掛けにも手を加えているのだろうが、細かいところは企業秘密だろう、私もそこまで立ち入ることはしなかった。
 そんな作戦が功を奏したのか、20分ほどたってからカワハギが姿を見せるようになってきた。まず右舷トモの方には23センチ、右舷胴の間、私の隣に座るAさんは本日最大となる29センチを釣り上げた。
 飯田さんや松本さんもポツポツと本命を釣り上げていく。好調とは言いにくい反面、型のよさは特筆もの。ほとんどが20センチ前後、放流サイズは1割もない。
 ひとしきり皆さんの釣り方を見ていると、さすがに私も我慢できなくなって竿を出す。色いろと考えた末、今日の顔ぶれから見て、みんなと同じ釣り方をしていてはかないっこないと判断し、宙釣りにトライしてみることにした。
 もちろん仕掛けには集魚シールをたっぷり、ハリはハゲの4.5号とする。オモリが着底したらその位置で少しタタキを入れ、50センチも巻き上げて待つ釣り方、タタキ下げに対して「タタキ上げ」である。カワハギ釣りはたたき上げの未熟者が、勝手に名付けたへなちょこ釣法である。
 これがどういうわけか当たった。チクチクしたアタリを見逃し、ひときわ大きなアタリに合わせるとうまくハリ掛かり。一時は連釣もあって、自分でも驚いてしまった。
 船中では一時食い渋りもあったが、そんなときでも歓声や笑い声の絶えない仕立船ならではの楽しい時間を過ごし、午後3時に沖揚がりとなった。
 当日は15〜29センチを8〜16枚、竿頭は松本さん、私は12枚を釣り上げ十分満足して船を下りた。
 巳之助丸では解禁した剣崎沖、竹岡沖を状況に合わせて釣り分けることになるだろう。いずれにせよ暑くて熱いカワハギシーズンの始まりである。



巳之助丸]臼井浩喜船長

 

 


 

 

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