[ホウボウ]
九十九里飯岡港発…飯岡沖 隆正丸
噂の飯岡沖ホウボウ 釣れっぷりを満喫!
本誌APC(埼玉)◎釜井昌二
掲載号: 2009年4月1日号
悪天候がうらめしい…
食いは活発、ダブルやトリプルも当たり前!
エサと仕掛けに悩んだときは……船宿常備品を使うに限る!
ここ数年、茨城県波崎から九十九里飯岡にかけての地域でホウボウ乗合が出船しているのをご存じだろうか?
早春から釣れ始まり、いまや当地の看板釣り物となりつつある。
ヒラメやハナダイなどの外道として知られるこの魚だが、引きの強さと見た目の美しさ、さらに食味のよさも相まって、今とてもホットな釣り物になっているのだ。
2月27日。九十九里飯岡港の隆正丸を訪れると、悪天候にもかかわらず9名の釣り人が集まっていた。私は左舷の胴の間に釣り座を構える。
やがて定刻の5時半に田村光二船長の舵取りで出船。航程はおよそ50分。釣り場の飯岡沖に到着するまでキャビンで一眠りすることにした。
到着の合図でデッキに出ると、風はやや強く、小雨も降っていたが釣りをするには支障はなさそう。
しばらく潮回りしたあと、船長の合図で第1投となる。ポイントの水深は30〜40メートル。ホウボウは底付近に群れている魚なので、オモリを底に着けて狙う。
隆正丸では、もっぱらスパンカーをたたんで横流しで狙う。オモリは100号が標準。状況により80号や120号に変更されることもあるという。
狙う水深こそ浅いけれど、オモリが重いためか、電動リールを使う人が目立った。
釣り方は至って簡単。まめに底ダチを取りつつ、海底付近で仕掛けを上げ下げして食いを誘うだけ。コツは誘いを入れたあとに止めて、食わせる間を与えること。
当日も仕掛けを止めたときにアタることが多かった。状況次第だが、中オモリを使ったタルマセ釣りが効果的なこともあるようだ。
使用するタックルについては、置き竿で狙うなら3メートル近い長竿が向いており、手持ちで積極的に誘いを入れて楽しむなら、2メートル前後の竿が向いている。
私のおすすめは、竿がオモリ負けしてしまうが全長2メートル前後、7:3調子のゲームロッドに小型の両軸リールを組み合わせ、手持ちで釣るスタイル。
誘いも入れやすいし、引きの強さも存分に味わえるはずだ。
さて私の第1投、底ダチは難なく取れたが、道糸が船下に吸い込まれるように入っていく。タナの取り直しをすると、さらに道糸は余分に出ていった。どうやら潮がとても速いらしい。
そんな釣りづらい状況だったが、2流し目、底を取って誘いを入れ、仕掛けを止めたところでググググッと穂先が絞り込まれた。
すぐに竿を立てて巻き上げを開始。海面まで途切れることのない引きを味わいつつ抜き上げたのは35センチのホウボウだった。
1尾目が釣れたまではよかったが、この後は速潮でオマツリが頻発し、3流し目からスパンカーを立ててのエンジン流しに変更となる。いくらか釣りやすくなったけれど、横流しのほうがポイントを広範囲に探れるので釣果はのびるらしい。
ここで左舷トモ氏が軟調の長竿を大きく曲げ、巻き上げを開始。ひときわ大きなホウボウを取り込んだ。
「いやあ、いい引きだったよ」とうれしさいっぱいの様子。
メジャーをあてると46センチ。見事なサイズである。
開始から1時間が経過したところで私は30〜35センチのホウボウを3尾キープすることができた。

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