天候が悪いわりに釣果はいいぞ！ なんて思っていたら、フト自分だけ釣れていないことに気が付いた。
　上着の背中に張り付けていた使い捨てカイロが北風にさらされて熱冷まシートへと変わり果て、これが寒さを増幅しているような気がしたが、心までもが寒いのは私だけが釣れていないからか……。
　お昼になると船長からカップ麺のサービスがあり、体が温まったところでエサの点検を行い気合を入れて投入。
　するとアタリがきた！ しかし、すかさず竿を手に取り合わせを入れたのだが手応えがない。
　ツイてないときは何をやってもうまくいかないものである。その後もアタリがきて魚は掛かったのだが、上がってきたのは40センチオーバーのフッコ。それもフッコ3連チャン、トホホ……。
　ところがその一方、ツイている人は何をやってもうまくいくもので、ご主人と席を再び交換して左トモに移った奥さまに大型らしきがヒット。慎重に巻き上げると時折強い突っ込みを見せ、ややあって海面に浮かんだのは大きなマコガレイ。船長が一発でタモに収めたのは当日最大となる45.5センチであった。
　船長もようやく釣れた40センチオーバーだけにうれしそうだが、それ以上にうれしいのはやはり釣った本人。満面の笑顔である。
　さらに村山さんの奥さまのツキはこれで終わりではなかった。この後になんと45センチと42センチを一荷で釣り上げたのだ。
　これには私も言葉を失いオヤジギャグも思い浮かびません、トホホ……。
　船中釣果は30〜45.5センチのマコガレイが0〜5枚。もちろん竿頭は村山さんの奥さまで、45.5、45、42、39、30センチと良型をそろえた。「カレイは4月ぐらいまでを予定していますが、産卵後のカレイが体力を回復してくる2月が型、数ともに好期でしょう。身も厚くなって引き味、食味とも倍増ですよ」と話す高津船長の顔は、してやったりのドヤ顔でした。

［高津遊船］高津三郎船長